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デザイン - 単なる飾りではない

現在のトラックは、昔のような粗雑な機械ではなく、デザインが十分に練られた駆動機であり、荷役機械が後部座席を占領することもありません。 「機能も見た目も優れたものを」というのが、新しい荷役機械のモデルとその制御部を設計する際のHiabのモットーだと言えるかもしれません。機械の設計においては、一連のトラックを補い、使いやすく快適な機器のために、工業デザイナーの専門的な知識がますます中心に置かれるようになっています。

「家の装飾品に趣向を凝らしても、部屋の真ん中にダンボール箱があったら、間違いなく目障りですよね」と、Multiliftの設計マネージャー、Esa Mylläriは語り、荷役機械とその他のトラック用上部構造の設計における課題を指摘します。

実際のところ、荷役機械とその制御部は、空気力学的に設計された車両の輪郭や、人間工学設計の運転台に必ずしもマッチしているとは言えません。

Hiabのさまざまな製品ラインは、すでに何年も前からこの設計の課題に取り組んでおり、多くの成果が現実のものとなっています。

デザイナーが問題の核心に迫る

コンセプトとして、デザインという言葉には洗練された響きがあります。では、荷物の積み降ろしとどのような関係があるのでしょうか。結局のところ、荷役機械の場合、知的なデザイナーに仕事を頼む必要はないのです。 見た目が野暮ったい機械でも、仕事をこなすことはできます。

それでもデザインは、完成品の装飾や美的感覚に関わるものであり、デザイナーの手法は言わば飾りのようなものです。さらに、内側、つまり機能の劣る内側を隠すために外側を美しく飾るのだと考える人もいます。しかし、装飾テープは別の問題だと工業デザイナーのMatti Makkonen氏は指摘しています。

Makkonen氏は、この分野での豊富な経験を有するベテランであり、現在は工業デザイン専門のED-design社で設計ディレクターを務めています。彼は、自分のキャリア全体を通じて、工業デザイナーが製品開発に貢献できることは何かという問題を何度も説明しなければなりませんでした。

「工業デザイナーの仕事範囲は、比較的広いのです。お客様の要望や期待を入念にとりまとめ、製品のエンドユーザーの環境を徹底的に調査し、電子工学や、場合によっては射出成形されたパーツの特性など、さまざまな分野の専門家とコミュニケーションをとる必要があります。また、素材や製造技法に精通している必要があるほか、すべてのコストに関する意識も持っていなければなりません。どんなに好きだからといっても、プラチナで化粧品のパッケージを作るなんていうのは、非現実的だということです」と、Makkonen氏は言葉を続けました。

「このような基本的知識や専門知識がなければ、革新的になることもできません。」

彼は、実際の設計作業は、お客様や製品のユーザーがどのような問題を抱えているかを正確に把握することから始まると信じています。残りの作業は、クリエイティブな問題解決であり、次々妥協が生じる場合も多々あります。自由な芸術を作るのは、工業デザインとはかけ離れているとしても、最高の製品というのは、視覚的にも傑作なのです。

Makkonen氏は、デザインとはこうあるべきもの、あるいはこうあってはならないといった普遍的定義を見つけ出そうなどとは考えていません。

「何かを作ろうとすれば、必ずそれをデザインする人がいて、そこには何らかの形がついて回るものです。」

彼は、ハンマーなど、多くのツールが何千年もの時を経て、今ある形に進化してきたのだと言います。同じように、ローダークレーンのブーム構造の基本的形状も、物理的法則から生まれたものです。ここで、誰か1人のデザイナーの名前を挙げることはできないでしょう。

基本的なローダークレーンの製品群をどうすればより気体力学的にもトラックのデザインに合わせられるか、あるいは、クレーンの制御部をさまざまな気象条件の中でどうすればより耐久性の高いものにできるか、そして、手袋を着用した状態で、どうすればより操作しやすくできるかという点に注目した場合、デザインが重要になってきます。

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使いやすさは測定不能

Makkonen氏にとっては、人間工学、つまり、製品を人間の比率に釣り合わせることも、もちろん重要です。 その経歴の中で彼は、トラクター、研究所のピペットおよび世界初の携帯電話までも設計してきました。また、ED-design社は、MULTILIFT XR パワーレンジフックリフト、XR21とそれに搭載する制御部分についても、その制御装置がまだアイディアの段階にあった頃から、その設計をサポートしてくれました。

使いやすさは、メートル法の変数では測定できない、とMakkonen氏は述べます。設計を成功させるためには、デザイナーはユーザーの日常業務を理解しておかなければなりません。

「たとえば、脱着ボディシステムの制御装置の使いやすさの点については、ドライバーが運転台に乗り込む前からすでに始まっているのです。というのも、通常、制御装置はドアと運転席の間に固定されているからです。制御装置は、ドライバーがトラックに乗り降りする際の通り道にかからないように配置しなければなりません。また、もちろん、運転の邪魔にならないようにする必要もあります。」

しかし、最も重要なのは、その制御装置で実際の機械を簡単に制御できるという点です。

「何万ユーロもする機械を買うのですから、それを正しく制御できなければ意味がありません。

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スマートなフックリフトのためのスマートな制御装置

数年前、新型Multilift XRパワーレンジフックリフト、特にその制御装置の設計作業に着手した際には、当初から工業デザイナーに集まってもらい、しっかりしたエンジニアリングの専門知識をサポートしてもらいました。XRパワーレンジには、革新的なプログラマブル・ロジックコントロール(PLC)が使われています。スマートな制御システムが、草分け的な制御装置と組み合わされることになりました。

「あるエンジニアに制御装置を設計するという仕事を割り当てた場合、出来上がってくるのは箱型の容器で、機能はするが、非常に使いにくいといったものになるでしょう。設計チームにデザイナーが加われば、まず、箱型の角を丸くすることから始めるでしょう」と、Multiliftの設計マネージャー、Esa Mylläriは冗談っぽく語っています。

冗談はさておき、Mylläriは、ED-designエージェンシーがXRパワーレンジの制御装置の設計に早い段階から参加してくれたことを大変喜んでいます。このデザインパートナーは、プロジェクトにすっかり没頭し、ユーザーの日常業務に精通するようになりました。そして、最終的に成功を収めたのです。

そして、そうです。制御装置の角は丸くなっていました。その形状は、標準的なボックスの中に組み込まれた従来の制御部ではなく、テレビのリモコンを連想させるものです。さらにその制御装置は、手首を正しくサポートするように設計されているため、反復運動による損傷のリスクが低く抑えられます。

装置の幅も狭いため、運転席と運転台のドアとの間に収まり、運転の邪魔になることもありません。

「脱着ボディシステムをトラックの上に引き上げる際に、トラックが動いてしまいがちなので、運転台の中で脱着ボディシステムを操作するのが最も安全な方法です。ですから、制御装置を運転台の中に固定してあるのです。ローダークレーンの場合はまったく逆で、無線制御により、安全性と性能が向上します」と、Mylläriは語ります。

人間工学に基づく運転台備え付けの制御装置に加え、このデザインエージェンシーとのコラボレーションは、機械の構造にも及びました。鋳造の合理化、バルブカバーの形状変更および油圧パイプおよびホースの再配置が行われたほか、金属板のプロテクターがプラスチック製のものに交換されました。さらに、真新しい保護カバーを取り付けることで、ほこりが堆積するのを防ぎ、機械を清潔に保つとともに、その見た目も改善しました。

「実際に、当社とED-design社とのコラボレーションは、当初の予定よりも突っ込んだものとなりました」とMylläriは認めています。

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XSDriveのユーザーは直感で操作することができます

Hiabのローダークレーンの開発には、かなり以前からデザインという側面が盛り込まれています。製品を完璧に機能させる必要があるだけでなく、近代的でプロフェッショナルなイメージを伝える必要もあるからです。

1990年代初めより製品開発は、製品の開発・設計・試験を専門的に行うSwedish Creator ABの支援と指導を受けています。長年にわたり、Creator社はクレーン構造全体の開発や細部の微調整に参加してきました。XSDriveリモートコントロールが、両社の最新の共同プロジェクトです。これは、HiDrive制御装置に替わるものとして、18ヶ月前に発売されました。

Creatorの工業デザイナーは、お客様が望む人間工学に基く、信頼性と耐久性に優れた、論理的な制御装置ソリューションの考案を支援しました。ローダークレーンは、厚手の手袋をつけていても操作しやすくなっています。

Creator社の代表取締役、Allan Salåker氏によると、考えもつかないデザインこそ成功するとのことです。

「よいデザインとは、多かれ少なかれそのデザインが自明の理である、つまり、何の説明も要らないものです。優れたデザインは、人間工学、直感、そして調和などの要件と自然にマッチするような方法で製品に溶け込んでいます」と、Salåker氏は語ります。

人間工学と耐久性に加えて、まさに直感が、XSDriveの開発を導いてくれました。実際に、ユーザーは自分が何をしているかということを常に考え続ける必要はありません。制御装置のグラフィックスやディスプレイは明快で、レバーや押しボタンのサイズも的確なサイズになっています。

「制御装置は、多くの場合厳しい条件下で使用されます。そのような場合でも耐久性を保ち、クレーンを効率的に操作できる必要があります。」と、Salåker氏は説明します。同氏は、2000年にHiab XSコンセプトモデルを製作した際に、プロジェクトマネージャーを務めた人物です。

Salåker氏によると、試験は新製品の設計および開発において重要な役割を担っているとのことです。通常、デザイナーはまず製品の外観をおおまかにスケッチします。最初のスケッチを基に、人間工学的問題や利用に影響するその他の要因にも注目します。

次に、機械および電子工学の問題が取り上げられます。あるいは、これらが第1段階に含まれる場合もあります。次に、試験、微調整、そしてさらなる試験と微調整が行われます。これは、製品が最終的な形になるまで続けられます。

「その後、パーツを発注し、数ヶ月後には製品の発売準備が整います」と、Salåker氏は理想的な流れを説明してくれました。

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人間と同じ比率を持つM8

Moffettは、高容量M7トラック搭載型フォークリフト(TMFL)の後継機の製作を始めた際、まったく白紙の状態からスタートしました。その結果、古いものすべてを完全にリエンジニアリングしたM8シリーズが完成したのです。何よりも、操作のしやすさ、人間工学、安全性、耐久性、そして外観に重点を置き、製品開発と設計が行われました。

Moffettのエンジニアリングディレクター、Kevin Turnbull氏によると、 今では他のMOFFETTモデルも、M8の後をたどろうとしています。今後は、アイルランドおよびオランダで開発されるMOFFETTの全トラック搭載型フォークリフトにM8のデザイン、スタイル、人間工学の特性が採用されることになります。これらの新モデルの最初のものが、新型M5およびM4となります。

M8製品ファミリー、および新製品ライン全体にわたって採用されている新しいデザインは、TMFLの中でデザインがどのように利用されているかを示す好例です。同社独自のエンジニアリングのノウハウが、英国を拠点とするForm Foundryの産業スタイリングの専門技術で補われました。

M8の運転台はM7とは異なり、オペレーターの快適さを向上することを中心に、運転台の設計が行われ、さまざまな構成部品が配置されました。ドライバーの足元のスペースがほぼ1.5倍の広さになったほか、幅だけでも20センチ以上広がりました。ペダルは左右対称に配置され、角度も鋭角になったほか、シートに対するステアリングホイールの角度や位置も改善されました。バルブ制御レバーを快適に操作できる場所に移動したほか、ダッシュボードの配置も新たに視線に合わせ、快適に見える場所に変えました。人間工学に基づいた操縦席は、乗り降りがしやすい位置に配置されています。「これらの変更は、当社の製品協議会の中でオペレーターおよび販売代理店の皆さんと話し合い、最適なレイアウトを決めるためのレーティングシステムを使用して決定されたものです。その結果、とても使いやすく、人間工学的にも優れたトラック搭載型フォークリフトができあがりました」と、Kevin Turnbull氏は語ります。

人間工学的改善に加え、操作の安全性も向上したほか、整備のしやすさや耐久性の向上という成果も見られました。これらすべての変更のおかげで、トラック搭載型フォークリフトの新たな基準が生まれたのです。

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自然の法則が林業クレーンの基本的デザインを決める

Loglift Jonseredの技術ディレクター、Kalevi Sjöholm氏は、博識なベテランで、荷役機械パーツデザインの真実を知っている人物です。

「構造上の疲労について議論してみると、強度理論に則って設計された構造は、美しさも兼ね備えているものです。」

Loglift Jonseredでは、林業およびリサイクルクレーンの基本を自然の法則にのみ置いている訳ではなく、製品ラインには、長いデザインの歴史があります。そのルーツは、ハイエンドデザインで有名なインダストリアルカンパニー、Fiskarsにまで遡ります。Sjöholm氏は、工業デザイナーと機械の設計士との協力は、機械の耐久性、見た目の良さ、そして使用と整備のしやすさを目指して、1990年代から製品開発に頻繁に行われてきたと指摘します。

「デザイナーによる貢献は、プロジェクトごとに異なります。大規模プロジェクトでは、工業デザイナーが最初から参加します。2000年初めに行われたLOGLIFTのクレーン、cut-to-lengthシリーズの開発がその一例です。この時、ED-design社は、ブームや柱など、目に見えるパーツデザインのほとんどに参加しました、とSjöholm氏は述べます。

運転台付きのクレーンは、ますます一般的になりつつあります。たとえば、スウェーデンで納入される林業クレーンの90%に運転台が搭載されており、その人間工学的側面に注目が集まっています。また、高いシートをより快適に、より人間工学に基づいた比率にすることも狙いとなっています。

「物事は、常に改善していきます。人間工学的に完璧な運転台は、まだできていません。」と、Sjöholm氏は語り、荷役機械のデザインは、さらに進化していくだろうという見解を示しました。

「10年前によく見えたものが、今ではそれほどよいものではなくなっているということも考えられます。」

1つ明らかなのは、見た目やデザインの一時的な流行も、機械の疲労耐性を損なうようなものにはならないということです。

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